sábado, 24 de septiembre de 2011

国内社会関係の「外交」化?(ボリビア)

TIPNIS問題(承前)をめぐって、前々から薄々と感じていたことをいま一度確認できた気がする。以下はその思いつきをメモしたもの。

今回抗議運動を進める低地先住民側は、ダビッド・チョケワンカ外務大臣を交渉相手に指定した。これは、先住民同士で話がしたいという意向があったことは確実で、実際に報道もされている。チョケワンカ外務大臣は、現時点での閣僚では数少ないアイマラ出身の大臣で、有名な先住民主義者(インディアニスタ)である(インカ・)ヘルマン・チョケワンカの弟にあたる。

しかし、この件はそれだけで済まないのではないかと思う。国内のある社会集団との交渉に外務大臣が指定され、実際に外務大臣が赴き、そして「人質」に取られてデモ行進が警察の包囲を突破するのに利用された(9月24日)(私はこれは外務大臣自身の高度に戦略的な行動でもあったのではないかとみているが、それはそれとして)。これは、ボリビアが実際に「多民族国家(estado plurinacional)」化していくなかで、国内の社会集団間の関係が「外交関係化」していると考えられるのではないだろうか。

(10月16日追記:外務大臣が意図的にやったという部分は、若干書きすぎたかと思っていたのだが、本日のLa Razón紙におけるXavier Albóの論説は、外務大臣の行動が事態打開につながったという見解をやはり示している。)
(10月18日追記:外務大臣自身が、このとき中傷されたのではなくてあくまでも友好的なムードの中でのことだったと証言しているEl Oxígenoboliviaの記事も出た。。)

サチャ・リョレンティ内務大臣は、この低地先住民側の外務大臣を「誘拐する」という動きに対して、国際機関である米州機構(OAS)に訴え出ると表明した。この大臣の動きには多くの人が眉をひそめているが、それはそれとして、なぜ国内問題を国際機関に訴え出るのだろう…ということは、実際に国際問題と同等に認識していることになってしまう。(それにしてもこの話は馬鹿バカしい…。この人、私が以前日本大使館で政治を担当していた頃は、左派の人権活動家として重要な仕事もしたんだけどな…。)
(この件に関するコチャバンバの新聞Los Tiemposの記事

そして、外務省の特に多民族外交アカデミーは、エボ・モラレス政権発足以来、民衆外交(diplomacia de los pueblos)、特に(実際に国外に出ることの多い)芸術家の外交関係における役割に着目してきたが、それだけでなく、先住民的な「社交」のあり方を実際の外交に反映させるようにして考えられないかという試みを続けてきたことにも注目することができよう。高地先住民の間に存在するapthapiと呼ばれる村中での食物の持ち寄りを、その手順や背景にある思想を考察し教えるというのを、実際の外交官の卵たちに対する一つのコースとして設定していたこともある。

国内の社会集団間の関係が「まるで外交関係であるかのように」扱われるこの状況は、先住民の存在が前景化してくることで実質的なところで本来の国境とは違うレベルでのロジックがはたらき始めていることになるだろうかな。ちょっとしばらく気を付けて見ていようと思う。

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