lunes, 5 de septiembre de 2022

飢餓の季節から次の豊穣の季節に向けて

南アンデス高地では、8月の終わりから9月の初めにかけてが、一つの大きな季節の転換点になる。 ボリビアでは8月は乾季=寒季の終わりで、大地の母神(パチャママ)が飢えていると考えられている。なので、甘みのある捧げもの(「メサ」)を燃やして食べさせてあげるという、「ワフタ(waxt'a)」と呼ばれる儀礼が様々な社会集団で行われる。9月に入る頃から雨が降り始め、年末から3月くらいまでの収穫と豊穣の季節に向かって、動き始める。

トウモロコシの芽が出始めている。なお、今年は家族の不幸があったため農作業が遅れていて、トウモロコシの苗がもう少し大きくなっている所もある。このペースで行くと年が明けてからの収穫になるようだ。ジャガイモを植えている所は、もうかなり株が大きくなって花も咲いている。

 

果物の花は8月に満開になり、もう終わりかけている。高原(アルティプラノ)に隣接する渓谷部(バーイェ)は果物の生産地であることが多く、1月から2月にかけて収穫のピークを迎える。上はナシ(pera)の花。

 

この上の花は、ここではルクマ(lúcuma)と呼ばれるのだが、どうも他の地域ではルクマというと別の果物を指すらしい。他の果物よりも少し遅れて、カルナバルの時期に黄色いカリンのような実をつける。これを煮出して甘く味付けをして飲み物にしたり、砂糖煮込みでコンポートにしたりする。

 

この上の桃色の花が、桃(durazno)。日本の桃よりもずっと小ぶりの実をつける。

 

この上の二つの写真はダマスコ(damasco)で、赤めの瑞々しい実をつける(酸味が強く瑞々しすぎて、私は少しこの果物が苦手だ)。もう小さな実がついているのが見える。

 

この上の写真はプラム(ciruelo)。小さな果実で、これが他の果物に先駆けてなっていく。もう花がほとんど終わってしまっているが、枝にかなりびっしりと白い花がつくので、ダマスコと見分けがつく。プラムには複数の品種がある。


 

私が今回初めて見たのは、リンゴ(manzana)で、これまた日本のリンゴよりもかなり小ぶりの実をつける。実をつけつつ花が咲いているなと思ったら、ここではリンゴが年に2回とれるのだそうだ。知らなかった。

渓谷部では他に、トゥンボ(tumbo)という白い実の中に、オレンジの細かい果実に黒い種子が入ったものが無数に入っている果物や、パカイ(pacay)というソラマメのお化けみたいなものに白い甘い綿にくるまれた大粒の種子が入っている果物があるが、興味深いことにリオ・アバホ(Río Abajo)の谷筋ではこの二つをほとんどみない(トゥンボはたまに植わっている)。さらに標高が低くなるとブドウが作られるようになり、自家製のワインが醸造されていることで知られる村々があったりする。

私は、今の仕事では果物の収穫の最盛期にはもう間に合わず、残っているものを大慌てで食べさせてもらうことが多い。1月から3月にかけてこの土地でとれる果物をしっかり食べておくと、体の免疫力が上がるんだよ、とアンデスにいるとよく言われる。