miércoles, 5 de abril de 2017

職人としての探求と学問と

学問あるいは研究が社会といかに関わるか、という問題とは別個に、学問や研究に携わる者は様々な意味で職人と近い、と私は以前から思っている。そもそも学問や研究を広い意味での技法として捉えるならば、その探求の仕方は職人技に近い部分を確実に持っている。

NHKで4月3日(月)に放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀』をたまたま見ていたら、豆腐職人の人が出ていて、その人が読書好きで読んでいる本を映しているところに、見覚えのある名前がある。Stephen Greenblattという、「新」大陸の領有についてMarvelous Possessions(『脅威と占有』)という本を出した人で、その人のもっと新しい仕事が映し出されていたのだ。人文学を読み続けながら、職人の側で頑固かつ斬新な仕事をしてきた人らしい。

この豆腐職人の人が言っていることは、単純あるいは簡単であることの難しさを極限まで突き詰めるということで、それはここでは大豆と水とにがりのことなのだが、同時に学問の基礎的な方法論ときわめて近いところにある。人文学の強みは、たった一つの単語、たった一つの文について、尽きせぬ探求すること・語ることを生み出していくことにあるからだ。

この人は、プロフェッショナルを、分かったと思ったら次の分からないことがでてくることだ、という。これは、全然当たり前ではない。これを上手にやることの、どれほどに難しいことか。これまた、シンプルに見えつつ、実践を極限まで突き詰めていける、そのような定義になっていて、私はこの放送にとても励まされた。