街なかで調査をしていると鈍ってくる感覚というのはあって、それを忘れないうちに。
何かが前に進む時というのは、こっちに進みたいという方向感覚は複数持っていたとしても、自分が自分であることはもうできなくて、自分の限界のところで物事が進んでいき、その結果として自分も変わっていく。
そういう瞬間は、全ての人がふと見せる優しさとかに全面的に支えられながら、でも同時に圧倒的に孤独だ。コトバとモノガタリの間で、ひとの記憶があふれ出てきて、その世界の荒波に揺さぶられて、でもそっとそっと一人でいる。
自分が、なにをやっているのか、なぜやっているのかなんてことは分からなくて、他人にも説明しようがなくて、ただそこにいる。
そういう瞬間が確かにあって、いわゆる研究倫理とかそういうものは、その瞬間に対して誠実に向き合おうとする、つまりそこから離れたときに偉そうに振舞う虚栄心に足を取られないための、精一杯の心の持ちようなのかもしれない。
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