martes, 26 de agosto de 2014

レネ・サバレタ・メルカード(ボリビア)の全集の刊行が続く

ボリビアの20世紀において、とても重要な政治・社会思想家であったレネ・サバレタ・メルカード(René Zavaleta Mercado)の全集の刊行が、Plural社から続いている。昨年2013年に第2巻が刊行されたことは気づいていて(全3巻)、いろいろと探しに行ったのだが見つからない。すでに品切れが近いらしく、かつ重版がなかなかかからないのらしい。


最初はPlural社の本屋に頼んでいたのだが、どうも頼りない返事しか来ないので、ふと思いついて古本の市場街に足を延ばした。ラパス市には二か所あるのだが、私はその中のPsje. Núñez del Pradoの一軒を昔から贔屓にしてきた。人文・社会系の本を選ぶセンスが良く、たまにしか見つからないものをうまく置いていたりするのだ。

そうしたら、なんと「お前が来るんじゃないかと思って取っておいたんだ」といいながら、奥から出してきてくれた。こういうのをスペイン語でcasero/caseraというのだが、ああやっぱりね。試してみるものだ。本当にありがたい。

この第二巻には、1952年のボリビア革命が失速してしばらく経った後の、彼がオーソドックスなナショナリズムやマルクス主義から次第に外れて、そしてそれによってボリビアの社会の多様性と複雑性を捉える重要な視点を生みだしていった、「後期サバレタ」と呼ばれる時期の重要な作品が収められている。特に遺作のLo nacional-popular en Boliviaは、かつてメキシコのSiglo XXI Editoresから出ていた版はしっちゃかめっちゃかだったのだが、不十分な書誌情報等がPlural社から出た第2版で大幅に改善され、今回の全集版でよく分っていなかった部分がさらに情報を加えられているようだ。

このような丁寧な書誌学的な仕事にもとづいた版が手に入るようになってきたのは、数年前からのボリビアの新しい出版情勢だと言えそうに思う。その中で、新たな私よりも少し上の世代の思想・文学の研究者たちが重要な役割を果たし、(いろいろ文句はやはりあるんだけど)Plural社が果たしてきた役割は大きい。

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