かつて井上陽水は「夢の中へ」で、
探しものは何ですか/見つけにくいものですか/カバンの中も/つくえの中も/探したけれど見つからないのに/
まだまだ探す気ですか/それより僕と踊りませんか/夢の中へ/夢の中へ/行ってみたいと思いませんか/
と歌っていた。
mr.childrenはそれに対して「ひびき」(作詞は桜井和寿)で、
見つからなかった探しものはポケットに入ってました。と/
幸せなんかおそらくそんな感じでしょ!?って/
君の声は教えてくれる/
と応えた、のだと私は思っている。
これはうまいと思ったのだけど、でも私たちは、ポケットの中の幸せと世界の銃声の両極端に分裂した時代をもはや生きてはいない。
ところで東京事変に「21世紀未来の子」という曲があって(作詞は椎名林檎)、そこでは、
代わりのない紛失物(なくしもの)/迷子のままのときは/宝物をつくり出そう大事に/
という歌詞がある。
とりかえしのつかないことは幾らでもあって、私たちは途方に暮れて、それでももう一度たからものを作りだしながら、私たちは生きていくことができる。私にとって研究というのはちょっとそういうことだし、それは多分それ以外のことでもそうなんだと思う。絶望と戸惑いと希望が背中合わせにくっついているような、その感じに私はいちばん励まされる。
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