sábado, 7 de abril de 2012

その一つ先へ

四月というのは新年度の始まりで、特に大学生を対象として新しい外国語を始める人への案内が書かれる季節でもある。ふっと、自分だったら何を言うかなあと考えてみたりもする。それはたぶん、入り口にはもっとその先があるんだということかもしれない。

(1)「外国語」として「お勉強」している段階に留まってしまうとなかなか見えないけれど、元々の自分の母語ではない言語ができるのが当たり前で、その言語を使って生活をして仕事をして、その言語について考えたり何かを創り出したりすることを、他の人たちと一緒にやっていくような、そういう世界がある。

(2)「スペイン語」はたくさんある。そもそも「スペイン」語というべきかどうかも微妙だけど、誰しもが関わるスペイン語の世界も、複数のスペイン語から成っている。フォーマルな世界でかっきりと書いたりしゃべったりするスペイン語も社会が異なると感じが変ってくるし、日常生活の中で話すスペイン語も、ケチュア語がベースになったスペイン語(例えばペルーのクスコのスペイン語)と、アイマラ語がベースになったスペイン語(例えばボリビアのラパスのスペイン語)とでは、イントネーションも言葉のつなぎ方も異なってくる。

(3)そのもう一つ先へ。それぞれの社会で、スペイン語のほかにもう一つ話されている言語があることが多い。アンデスに関わる人たちがケチュア語かアイマラ語の基礎を学んでいるというのは、日本以外の大学や大学院では、既にかなり普通のこととなっている。(国際協力の世界で「英語とあともう一つ」と言われるように、)イベリアやラテンアメリカに関わる場合も「次のもう一つ」が見えてくると、社会がまた随分と違った色彩をまとって現れてくるはずだ。

そもそも大学で学ぶ第二外国語が何かの役に立つ人がどれ程いるか心もとなく、勉強しているつもりになっているところから本当に勉強しているところに行くのは簡単ではなく、単位(いい成績)を取るためにが関の山になったりもする中で、それでも、ただ「使える」だけでもない「そのもう一つ先」が、我々には多分それぞれのかたちで存在していて、そういうことを伝えられるだろうか。そしてその中でそれぞれの言語について考えて練習して身につけるための、入り口のある段階を共有できるといいのだけれどなあと思ったりしている。

【参考】「ケチュア語とアイマラ語を勉強してみようと思う人のために」
http://latinamerica.c.u-tokyo.ac.jp/japanese/pg258.html
(紙媒体とウェブ上の入門教材の紹介ですが、十分なスペイン語の知識と、現地に行って勉強する用意があることを前提とします。)

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