domingo, 6 de mayo de 2012

「自分たちの政府」とは何なのだろうか?

イシボロ・セクレ先住民領有地・国立公園(TIPNIS)を縦貫する道路建設反対を巡る二度目の低地先住民行進(第九回低地先住民行進)以外はあまり国際的に報道されていないが、ラパスだけではなく他の主要都市も含めて複数の社会紛争が強硬姿勢を強めていて、現在ボリビア政府はとても厄介な状況に直面している。

医療関係者らは、勤務時間を6時間から8時間に引き上げようとするボリビア政府の措置に反発し、ハンストを含めたストライキを続けている。ボリビア中央労連(Central Obrera Boliviana, COB)は政府の再三の賃上げ提案を拒否し続け、また医療関係者に連帯して、今週水曜日から72時間のゼネストを宣言している。ラパス県運転手組合は交通規制を強めようとするラパス市役所の措置に反発して、今週月曜日から48時間のストを宣言している。

この状況は二つの側面で不思議である。先住民出身としてだけでなく様々な社会勢力の代表として大統領に選出されたエボ・モラレスの下でも、2010年末から抗議行動は再度非常に活発になりつつある。さらには、2010年末のガソリン価格引き上げの試みと、2011年にTIPNIS縦貫道路の建設を強行しようとして、大幅に下落したモラレス大統領への支持率は2012年に入って実は回復傾向にあり、しかしながら社会紛争がむしろ過激化しつつある。これらの点が同時に成立することに、現在のモラレス政権特有の状況が見て取れる。つまり、モラレスの代わりがいるとは現時点ではまだあまり誰も思っていないが、それでいて強い不満が生まれつつあるのだ。

これらの社会紛争は、一方では既得権益を各セクターが守ろうとしているという見方をすることが可能だ。しかし同時に、ボリビアにおける国家と社会の関係を考察する重要な糸口になっているようにも思う。

現状の苦境をもたらしたのは、モラレス政権の対応の失敗にもある。当初、高い支持率を背景に様々な抗議運動を抑え込めるとたかをくくっていたモラレス政権は、何度も打ち出した政策を撤回することを余儀なくされた。しかし、うまくかわして、あとから裏口を通じてこっそりもう一度、というのをTIPNISの件でやってしまったため(第八回低地先住民行進の結果一旦道路建設を禁止する法律を議会を通過させておきながら、道路建設に賛成するデモ行進を政府自らが後押しし、その勢いで計画自体を復活させ住民協議へと持ち込もうとした)、政府の中途半端な譲歩を社会勢力が信用しなくなり始めているのだ。ちなみに、紛糾したときは「社会サミット(cumbre social)」を呼びかけて、その結果をもって政権の課題とするという手段も、どうせ政権党MASの支持勢力の意向が反映されるだけだろうと不信の目で見られ始めている。

また、これは各セクター内部に属する領域について、政府がそれほど容易に自らの意向を一方的に押し付けることができないことを示している。これはよく外部の人が安易に考えるように法律を無視しているということではない。TIPNISの件も、実は医療関係者の勤務時間増大の件も(この部分未確認情報)、政府の措置は憲法の条文に違反しているという主張が可能であり、また全ての紛争が政府の法的措置を巡る紛争なのだ。むしろ、たとえエボ・モラレス政権であったとしても、ボリビア国家が社会において占めている正当性は極めて限られたものであり、各セクター内部の意向を無視して上から全体を牛耳ろうとすることは元来できないのだ。

自分たちの代表として選出されたはずの大統領が傲慢になるにつれて、これは自分たちの政府ではないという感情が生まれつつある。先住民の代表として選出されたはずの大統領が、コカ栽培農民の利害のみを代弁し、先住民を重視した措置を一向に採らないことで、これは自分たちの政府ではないという感情が生まれつつある。そして、たとえ政府であろうとも自分たちの領域を侵害してきたら強く反発する自治の意識が改めて強く発現しつつある。

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