domingo, 26 de agosto de 2012

「本当のこと」を話さなければならない

今日の午後ずっと話をしてもらっていたおじいさんが、ふとした合間に、「嘘をついたらだめだ、本当のことをいつも話さないといけない」と(アイマラ語で)言った。私たちは小さな町の教会の前の広場のベンチに座っていて、ミサの直後で教会の扉が開いていたので、そういう発想になったのかもしれない。

でもこのおじいさんと私は、大昔は動物がしゃべったんだよとか、すぐそこの魔物が出るとされる場所で変な存在に遭遇した話を、それまで色々としていたのだ。つまり、これらのことは、全て「本当のこと」なのだ。

これを聞きながら私は、大江健三郎だ!と思っていた(注)。

(注)大江健三郎の最近の作品では、小説家である主人公が周りの人に「本当のことを書いてくれ」と迫られる場面が出てくるのです。

このおじいさんは「ちゃんとな、あたまに刻んで、よ~く思い出して話さないといけないんだよ」と僕に言う。「本当のこと」として、現実のこの世界に裏腹のように存在する世界が、作られて、語られていく。創られて、騙られていく。それが起こる場所に、その境い目に、自分を置こうとし続けられるであろうか。

口承の文学と書かれた文学をつなぐ、「本当のこと」と、「刻む」こと。このような経験は、いつも自分を不意打ちにして、何かを強引に開きに来る。

No hay comentarios.:

Publicar un comentario