viernes, 4 de abril de 2014

「外国語スペイン語」業界に身を置いて

新年度が始まろうとしているときに。

大学で外国語としてスペイン語を教えるようになって、本当の意味ではこれまで自分がスペイン語を教えることになると思っていなかったらしいことに私は気付いた。真面目に勉強していなかったというわけではなく、私は私でスペイン語で色々とやってきたのではあるが、教えるとはどういうことなのかそれほど考えていなかったのだった。

今の時点でどういうことかといえば、一つは、ラテン語と中世スペイン語を勉強していただろうと思う。(あとアラビア語。)日本語の古典文法や漢文訓読を大学受験生に教えたりして生活してきた私が、ラテン語をまったく知らないとは、そもそも首尾一貫性を欠いている。もう一つは、スペイン語の言語学についてもう少し事前に分かって、そして言語学と言語教育の関係について進んでいる考察についてもう少し分かっておきたかった。

Academia(スペイン王立アカデミー)の『新文法』(Nueva grámatica de la lengua española)二巻本と『記述文法』(Gramática descriptiva de la lengua española)三巻本は画期的で、とても役に立つ。そして、駒場のスペイン語部会の上田博人先生のここまで積み重ねた業績とそこでの考え方、それを外から眺めるのではなくてその現場で仕事をできることには、救われた思いがする。このとがった考え方が傍になかったら(ご本人はそのようには思わずただただ真面目にやっているだけなのだろうが)、私はおそらく途中でうんざりし始めていたと思う。

そして、今のスペイン語の教科書業界の状況は、やはりおかしい。missing middleといって、間をつないでくれるものがなかなか存在しない状況は、到る所にあるとはいえ、履修者を数で確保できることを基盤として初級の教科書ばかりが乱立し、中級の興味深い教科書は驚くほど少ない(ごくたまにあるし、自分の頭の中も含めればそれほど世の中捨てたものではない)。そして、スペイン語の「語学」と「地域事情」的なものばかりが幅を利かせ、本格的な「地域研究」に向かうための教科書はない。スペイン研究でもラテンアメリカ研究でも、日本語で教科書として使えるものが(大して)なく、そして、文学以外のものは驚くほど日本語に翻訳されていない。

文句を言うというよりは、以上を自分の抱負として、今年度も仕事を始めよう。

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