(日本でモルモットと呼ばれるかわいいかわいい動物が解体されて料理されるのを見たくないかたは、このポストを回避してください。)
アンデスにはクイと呼ばれる動物がいて、特別な日のご馳走のために飼われていることが多い。うちのおばあちゃんは、これをワンク(wank'u、「ク」は破裂音)と呼んでいるが、他のアイマラの人たちは別の呼び方をするかもしれない。
今回の滞在ではお家にお邪魔する最後の機会となった私のために、朝一番でクイをつぶして料理をしてくれた。
クスコでお世話になっている家族は、クイに香草を詰めてオーブン焼きにするのだが、このおばあちゃんはちょっと違った料理のしかたをする。
まずクイは茹でてから小麦粉をまぶしてフライパンで焼く。これはフライパンで焼く時間は短いので、その前に肉を十分に柔らかくしておくということなのだと思う。
火が通ったらお湯を足し、それが沸騰したら黄色トウガラシのペーストを加える。それを煮詰めていくとアグァードの完成。この料理のしかたはペルーでほとんど見ない気がするので、ボリビア・アンデスならではの味かもしれない。
これらを併せて、何と呼ぶのか分からないけれど、この家族のクイ料理の出来上がり。この精一杯のおもてなし料理に皆で舌鼓をうつ、幸せな日曜日であった。どうか、どうか、まだこのような機会にまた巡り会えますように。
うちの家族では動物を屠るのはおばあちゃんの役目。クイも、ニワトリも、羊も、豚も。ちょっと死神みたいねと私は密かに思っている。
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