オレンジに所々白が交じった街灯が薄暗く照らしだすラパスの夜を、家路につく客で満員になったミニバスはひたすら走っていく。坂と川の多いこの街を、斜面をおりておりて川を渡って、またのぼってのぼって、またおりておりて川を渡って、またのぼってのぼって。
今日はコパ・リベルタドーレスでラパスの地元のチームがブラジルと当たるというので、街の中心のスタジアムだけ煌々と照明がついているのが、斜面の上の方から眺めると、そこだけ目立って明るくて、すぐわかる。
人間の命も簡単に失われ、動物の命なんてもっと簡単に失われてしまうこの社会で、誰も死なずに二年間を生き延びたことを讃えよう。資金繰りがどんどん大変になっていって、人生の苦しさはいつも上り坂で次第に急になっていくなかで、何とかこれからも生き延びることができるだろうか。
遠く離れた地球上の二点をつないで、少しずつ積み上げてきたつながりに、絶望的に生きるのが大変なこのボリビア社会の中で、少し救われる思いがすることがある。まったく当たり前でないことが、当たり前のような気がするその一瞬を、まだもう少し私は生きていこう。
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