私は物売りや道端の屋台のおばちゃんと話し込むことがたまにあるが、そうしていると稀にその関係が長く続くことがある。
今日の夜、大学の前の広場を通りかかると、お互いに「あぁ~~~!」と言う。実はそのおばちゃんとは2003年からの知り合いで、もう9年以上になるのだ。
市に登録していないゲリラ物売りおばちゃんで、市役所の人に見つかると怒られたり排除されたりするので(こういうときに使うスペイン語はmolestarだ)、街の中心の方で、しかしそういう人が通らなさそうな空間や時間に出現する。かつて私が大使館で専門調査員の仕事をしていたときは、私が住んでいたマンションの目の前の階段状になっている道路に露店を広げていたのだ。
街を縫うしぶとさ、と言うのだろうか。
私のラテンアメリカの街の原風景は、いつもこういうところにある。
世間話を続けていると、お互いの状況を毎回簡単に交換し合うようになる。小さな女の子がチョコレートを道行く人々に差し出している横で、「お前さん、しばらく見なかったけどくにに帰ってたのかい?」「元旦那が病気になったっていうのはどうなったの?」とか、立ち話を続ける。
夫が他の女に走り、小さな子どもを何人も抱えていて、生きるということは、本当に闘いだなといつも思う。
それにしてもこの人は子沢山で、しばらく会わないと子どもが一人増えている。最初は把握していたはずだったのだが、ついに誰が誰だか分らなくなった。沢山の子どもを連れて、街のある場所でぬうっと出会う。この人は神様の一種なんじゃないかと私は思っている。
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