左に90度ほど旋回したところ、後ろにクスコの街が明るく見えていて、手前に薄い光の筋が見えているのが、おそらく、パナメリカーナ(Panamericana)からクスコ市に入らずサン・サルバドール(San Salvador)という町を通ってインカの聖なる谷(El Valle Sagrado de los Incas)に続く道筋だ。
今度は手前側に少し大きめの光の集積が見える。これはおそらくインカの聖なる谷の中心となる町のカルカ(Calca)やウルバンバ(Urubamba)ではないかな。
さらに進んでクスコ市を離れようとする辺りで、クスコから2本の光の筋が分岐していることに気づく。手前に来るのは、チンチェーロ(Chinchero)からマラス(Maras)を通ってウルバンバに至る、もう一つのインカの聖なる谷に向かう街道だ。向こう側はアンタ平原(Pampa de Anta)でイスクチャカ(Izcuchaca)などの町を経て、次の大きな街アバンカイへと向かうアンデス縦断街道だ。
自分が何度も通っている道筋を空から確認しながら、そこを通ってきた年月を振り返る。
アンデスを離れないといけないとき本当にまた戻ってこれるって思う?本当に確信をもって人々にそう言っている?と聞かれたことがある。そういえば、私の先生もそれに似たことをどこかに書いていた。私はそれを戻ってくると言うことで、次に進めることを具体的に考えながら別れてきた。それが私なりの倫理であったり、けじめなのだと思う。ほとんど狂気のように分裂した世界を、それでもまだ私は生き延びなければならない。
No hay comentarios.:
Publicar un comentario