アンデス高地の日の光は強烈だ。「アンデスの太陽はただ焼くだけで暖めない(El sol andino solo quema y no calienta)」と言われたりもする。その強い日差しは、光と影の差を際立たせる。
その日の光が、少し和らいで感じられる時間がある。ひとつは、日中に家屋の中から外を眺めているとき。土レンガ(アドベ、adobe)で出来た家は、窓があっても室内は日中なお暗い。戸口から外の強い光を眺めると、外の世界の強烈さを静かに受け止められるような気になってくる。
もうひとつは、午後から夕暮れ時にかけて。午後3時を回ったころから、急に日の光が柔らかくなってくる。柔らかな午後の日差しの中で、様々なものが許されて、人々が優しくなってくるような気がする。
日が暮れ始めると、少しずつ灯がともり始める。アンデスの街の灯りは、現代でもなお黄色く薄暗い。その薄暗がりに包まれていく身体が、心地よい。一日が終わった後を家族で共有するこの時間帯の優しさが、私のアンデスの原風景/原感覚のようなものかもしれない。
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