ボリビアのラパスの街は、強引にまとめてしまうと、人当たりが荒く、ぶっきらぼうで、ゴツゴツしている気質がある。口が早く、どんどん文句を言って、人々の間の諍いも頻繁に起きる。
しかし。
この街でミニバス(minibus)や乗り合いタクシー(trufi)に乗る時には、運転手と乗客の人たちに向って挨拶をしながら中に入るという習慣がある。(¡Buenos días!)
(ここではミクロ(micro)と言えば大型バスを指し、ミニバス(minibus)と言うとハイエースのような小型の車を使ったバスを指すという、なんとも紛らわしいネーミングがある。)
食堂に自分が入っていったときには、周りのテーブルに座っている人たちに対して声をかけ、自分が出ていく場合も、同様に声をかける。(Provecho, o Buen provecho.)
アイマラの色が強い人たちとご飯を食べているときは、食べ終わったときに単にGracias.と言うのではなくて、片手を軽く上げながら一人一人の名前を呼びながらGracias mama Asunta, gracias Beatriz, gracias Yamile, gracias Santos, gracias Gabi, gracias Dani.と順々に挨拶を回していく。皆はその度ごとにProvecho.と返す。
こういう一つ一つの要素を天秤にかけて評価をするのは難しいけれど、これらの習慣があることが、この必ずしも楽ではない街で生きていくことに、ちょっとしたクッションになっていることは確かだと思うのだ。
PS ちなみに私は、口調が乱暴ですぐに文句を口に出すことは、ボリビアが、そしてラパスの街が経て来た革命と反乱の歴史をよく反映しているように思えて、必ずしも嫌いではない。疲れている時に直面すると更に疲弊することもあるけれど。
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