コチャバンバから新作(注1)のプレゼンに出て来ている歳の離れた友人と夜遅くにカフェにいて、同席していたもう一人の人が、「次はね、詩の朗読を入れるべきだと思うんだよね」と自分の意見を言った。
友人はちょっと考えて、おもむろにペーパーナプキンに次の詩を書いて「はい」と渡した。「これ朗読できる?」
SILENCIO SILENCIO SILENCIO
SILENCIO SILENCIO SILENCIO
SILENCIO SILENCIO
SILENCIO SILENCIO SILENCIO
SILENCIO SILENCIO SILENCIO
私たちは二人で「ははあ~」と感心しながら、黙読の大事さを力説する友人に聞き入っていた。(注2)
家に帰って調べてみたら、これはボリビア生れのスイス人詩人Eugen Gomringerという人の作品なのだった。よく知ってるなあ。なんて書くと実は相手に失礼かもしれない。
友情の不思議さ、感情のしょうもなさ、熱をもってあふれ出てくる考え。アイマラの人たちと一緒にいる世界とはまた違う、もう一つの私にとっての大事な世界。文学、料理、演劇、古い都市の生活、小さく濃い自分の周りの範囲。
(注)Luis H. Antezana y Virginia Ayllón (guión y dirección). 2012. La ausencia de Adela Zamudio (CD-libro). La Paz y Cochabamba: Nuevo Milenio Editorial, CESU-UMSS y Revolver Publicidad.
(注2)原文は全て小文字で書かれているようだが、ここはそのまま友人が書いた通りに書き留めておく。
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