ああそうか、この人はこんなところに出ようとしていたのか。『3月のライオン』第16巻を読んで、少し驚いた。
『ハチミツとクローバー』から何度も繰り返されてきたモチーフが、まったく新しい光の下で立ち現れて、私は呆然として、深く納得して、そして心の底から恐ろしくなった。
全ての伏線を(しかも時には何度も)回収し(※)、死への欲動まで抱え入れて、それでも真っ直ぐ前に進めるとは。若さと老練とが同居しつつ、そこにはあるということなのか。ああそうか、それでも前に進めるのか。
そして、この光がキラキラする場所は、かつて宗谷冬司が見せてくれた場所へと、桐山零が自分で辿り着いたということでもあるのだろう。
闇の力ではなく、光の力で進めるようになることは、10代の若さの中では切実な課題の一つなのだろうと思っていて(教育産業でも闇を上手に利用して商売をしている人たちがいるから)、そこに確かな執着心に満ちた道が示されたのだな、とも思う。
※読者の勝手な言い分ですが、私は二階堂を生かしきってくれようとしていることに、心の底から感謝しているのです。
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