ラパスで一番好きな料理はと聞かれたら、私は迷わずワヤケ(ワリャケ、wallaqi)と答える。酒を飲んだ後に食べるにはフリカセ(fricasé)という豚スープなどもあるが(5月のエントリーを参照)、このワヤケも二日酔いに効く栄養満点だ。もちろん二日酔いじゃなくて普通の日でも。
この料理は、元々はボリビア西部の高原(アルティプラノ)のチチカカ湖の湖畔の村々の習慣だったはずで、カラチという骨っぽい魚とタマネギ、黄色トウガラシ、そしてコワ(quwa)と呼ばれるアルティプラノに生えている香草でとるスープなのだけれど、ラパスで食べる時にちょっと面白い発見があった。
私は自分でも市場で買ってきて作ったりするのだが、最初の頃、魚のフライを食べるウルグアイ市場(Mercado Uruguay)でおばちゃんと話しているときに、サバロ(sábalo)という魚の頭を一つか二つ買って入れるといいよ、と助言をもらったのだ。なかったら鱒(trucha)の頭でもいいと。
そういえば、私がよく行くロドリゲス市場(Mercado Rodríguez)のwallaqiの屋台でも、オプションとしてkawisa(頭)というのがあって、それはサバロの頭がついてくるのだ(上記写真、両側にいる小さい魚がカラチ)。他にもトルゥチャやペヘレイなどのオプションがあるのだが、このサバロの頭は人気が高く、これを目当てに来るお客さんたちもいる。
ははあと思ったのは、このサバロはボリビアの東部低地から届く、ちょっと泥臭い、でも脂身の多い魚で、確かにこれを入れるとスープに深みが出てくるのだ。これは国内の流通網の発達が可能にした、ラパスという都市での出会いものの料理だ。カラチとサバロが出会うことで、ワヤケという料理が一段また別の高みに到達するということなのだろう。レストランで食べるとかではない、日常の庶民の料理の中にこういう理屈を発見すると、ちょっと嬉しくなってしまう。
それにしても、私のよく行くこの屋台、ここは量を作るから、カラチやサバロに加えてトルゥチャやペヘレイも入れるから、スープの味がそれだけでとても美味しくなって、なかなか自分で作ってもこれに勝てない。すっかり常連さんになってしまった。
No hay comentarios.:
Publicar un comentario