domingo, 13 de enero de 2013

ジャガイモとトウモロコシと

南アンデス高地は豊穣の季節に入っている。そしてアンデス社会の食事の基礎をなすのは、やっぱりジャガイモとトウモロコシだ。

アンデスにいるとジャガイモが基本的にとても美味しいのだけれど、やっぱり渓谷部でとれるジャガイモよりも、標高が高い高原地帯でとれるジャガイモの方が味がいいというのは一般的にあるみたいで、ごくたまにもうすごく美味しいジャガイモにあたるときがあって、粉をふいていてホクホクしていて甘くて、そのようなときは世界の何かに対してありがとうと言いたくなる。

その前に自分で石のすり鉢を使って、トウガラシ(ロコト)やハーブ(キルキーニャやワカタイ)やトマトをガシガシとつぶしてすって作ったリャフアという調味料がうまくできたときなんざ、右手でジャガイモを持って、右親指でリャフアをすくって、一緒に口に入れるときのこのうまさだよ。

今日食べたジャガイモは、昨日山の上の方の村の人が果物と交換しに持ってきたものだ。アンデス社会に生き続ける物々交換(trueque)がもたらしてくれた、たまたまの巡り合わせに感謝。一緒にいた家族の長男も、今日は朝早くからかごに果物を入れてチチカカ湖畔の方まで出かけて行って、ソラマメとトゥンタ(乾燥ジャガイモの一種)を一杯に入れて帰って来た。まだまだ日常生活に物々交換が生きていて、活発化するのが今の季節なのだなあ。

そしてとれたての白トウモロコシ(チョクロ)の、大粒のみずみずしい甘さ。茹でたてのものをがんがん食べられるけど、この家族のおばあちゃんは、生のまま勢いよくかじっていく人もいるんだよと教えてくれた。

今年も一日がかりで恒例のウミンタづくりをする。トウモロコシの外皮をむいてむいてむいてむいて、白い粒をこそげおとしてこそげおとしておとしておとして、それをテーブルの横にとりつけた装置ですりおろしてすりおろしてすりおろして、それに溶かしバターと塩と砂糖とシナモン粉をまぜて、チーズとともにその皮に包んでいって、オーブンに放り込む。市販のやつは小麦粉を混ぜているけど、うちのは100%トウモロコシだけで作る本物だよと言われて、オーブンから出したてのものを一つ頬張る。

皆が外で色々な問題を抱えていても、なんでこんなうまくいかないんだろうと頭を抱えていても、ジャガイモを頬張った瞬間は、オーブンからウミンタが出て来た瞬間は、やはり本物の幸せがここにあるんだと思う。

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