かつてボリビアで仕事をしていたとき、様々な狭間に落ち込む感覚をよく味わった。
様々な見解と立場がせめぎ合うという意味での政治に積極的に関与する国連やヨーロッパ系ドナーと、あくまでも純粋な技術的側面での協力にとどまろうとする日本。どちらにももちろん一理はありつつも、積極的に自分を開いていく(場合によっては壊していく)イギリスの考え方に大きな影響を受けた私には、肝心な所で議論を避けてしまう日本の援助の世界はとても居心地が悪かった。
そしてボリビアの政治は正確に情勢を分析するのが、とてもとても難しい。その中で有数のアナリストの人たちの中で揉まれ、そこからもっと長いスパンの政治思想上の課題とつながる視野をどう組み立てるかを考えてきた。でも、自分で調査をすると、政治経済の動きとは直接関係のない人々の暮らしの様々な側面に、混血の社会とは区別された意味での先住民の社会や運動に自然と関わっていってしまう。
抜け出せないままに、再び狭間のような役割を短期間得て、久しぶりにボリビア国内の主要な機関をインタビューで回っている。 ドイツの社民党系の財団のシンクタンクの、とても率直で魅力的な代表の女性の話を午前中に聞きながら、解決できないまま行き場を見失っている自分の課題に、再び立ち戻る。でもそこから、自分の足場を築く道も細く細く見えている。 五年前から、直観だけではもうどうしようもない事に、息をひそめて、潜ろう。
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