domingo, 14 de noviembre de 2010

アウトプットの「必要性」=リハーサル

白井恭弘『外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か』岩波新書、2008年。

 ある本を買いに駒場の生協書籍部まで歩いて行って、その際に横ら辺にあった別の本を手に取ったのがこれ。
 科学的なアプローチのいい面が出ていて、複数の立場への目配りだけではなく、様々な実証的な研究をどう位置づけるかについて、バランスの取れた紹介がなされていると思う。「教科書」を目指したという後書きも、それこそが必要であったと思わせてくれるが、同時に実践に役に立つアイディアが幾つも詰まっている。
 印象に残ったことを。
(1)子供(幼児)の方が言語習得に成功し易いという点をまずは認めた上で、ただしそれは生得的な要因のみに基づくのではなくて、外国に住む時に周りのどのような人々と付き合っているかということも含めた環境的要因も大きい。(環境要因は操作することができるよね。)
(2)ある程度理解可能なインプットを大量に行うことで、予測能力も含めたその言語の力が身につく。
(3)必ずしも初期段階からひたすら話そうとしなくても、アウトプットをしようとして自分で頭の中で組み立てる=リハーサルすることが重要で、それによってその言語で考えるようになる。(ずっとしゃべらなくて、あるとき突然しゃべり始める子供のように。)
 また全体的な立場に関することだが、「ネイティブ」を目指す必要はないというメッセージと、だからと言って形を気にしないその場しのぎのコミュニケーションではだめだろ、というメッセージのバランスを取ろうとしているように見受けられ、そこも共感を覚えるところだった。
 ただしこれを自分の専門にしようと思わないのは、自分の目の前にある言葉自体が何なのだろうという関心の方が僕は強くて、かつ自分の生々しい経験とうまく折り合いがつかないような気がするのだが、でもこの本は巷の外国語習得に関する本としては珍しく役に立つと思った。

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