人の可能性はある年齢になると無限ではなくなるし、可能性は幾らでもあるがそれを形にしなければ意味がない――この言葉を私はペルーの早逝した歴史学者アルベルト・フローレス・ガリンドから受け取った――とすると、今のわたしの「職務」となっていることで真面目に実のあることをしていくことが、本当に「正しい」ことなのだろうか。
一つを選ぶということが、今ではもう別の何かを、多くの場合には別の複数の何かを切り捨てることにつながるとするならば、今の仕事に時間を割くことで、他のこれまでに浴びるように受け取ってきた恩恵に応え返そうとすることができなくなるのではないのか。そして、そっちの方に、本来わたしにしかできないことが入っていたのではないのか。
それでもまだ、間に道はあるのだろうか。ごく僅かに、ごくごく僅かに、それを成し遂げた先人たちが視界にはまだ入っている。
しかし、やはり本当はもうすべてが遅すぎるのかもしれない。またひとつ、またひとつと、間に合わなかった宿題が残骸のように残ったまま、人々は私の周りから少しずつ旅立って行ってしまう。夜の道を一人歩きながら発狂しそうになる。
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